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2023年12月5日火曜日

random


 

記憶は時間の経過とともに曖昧になって、やがてその時感じた印象だけが増幅され、誇張されて美しく脚色されていくものだ。ここにいる被写体の正体など今となっては知る由もないけれど、だから街角スナップは魅力的だ。動と静、イベントの高揚感だったり待ち合わせの時間つぶしであったり動いていても佇んでいても、そこに被写体の思いがあれば一つの物語のワンシーンのように写し取ることが出来る。いや寧ろ一画面の中で瞬間を捉えられた被写体はネクストの想像力を掻き立てたまま、思わせぶりの姿態で私の思い出の中に美しいマドンナで居続けているのだ。



綺麗な花でも美しい風景でも写真ならどんな被写体でもなんでも魅力的だと思うのだが私はそこにマドンナを配したい。もちろん何も無くてよい時もあるのだが、それでも居れば居るであって残念なことだけはあり得ない。モデルを使った演劇の完璧な配置には比べるべくも無い仕上がりだったとしても、そこに偶然居合わせた奇跡と言うか、飾らない普段着の表情とでも言うのか、これはこれで何時まで経っても色褪せない永遠の謎解きゲームのようで面白いと考えている。あの時のマドンナ達は今何処で何をしているのだろう?

あの幼き日の夜に眺めていた街の灯りや自動車のヘッドライトに見ず知らずの生活を想像して楽しんいた記憶とともに今そんなことを思っているのだ。

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